哀しきダーク・ファンタジー
「幼児に見せるとトラウマになるかも」とまで言われたスペインのダーク・ファンタジー映画「パンズ・ラビリンス」。
私はてっきり、出てくる化け物があまりに怖すぎるのかと思っていたが、実際には出てくる人間の方が数倍怖かった。
というか、これ、ファンタジー映画?
だって、スペイン内戦の歴史映画を見た気分だったよ。すごく哀しいし。「マッチ売りの少女」がハッピーエンドというのなら、この映画もハッピーエンドには違いないが、通常のファンタジーではあり得ないショッキングなストーリー展開に、ハラハラして涙が出る。
初めて見たよ。こんな映画。
でも、見終わった後決して楽しい気分にはならないけど、見てよかったと思える素晴らしい映画だと思う。なんかこう、得もいわれぬ感動がじわじわとわいてくるのだ。
しかし、自由のために血と涙を流したことのある国は違うな。そして、「それを忘れてはいけない」という想いから作られた映画が、こういう毛色の変わったファンタジーだというところがまた違うな。
このセンスさすが!
不思議とファンタジーが盛り込まれている方が、現実の悲劇性が伝わってくるんだよね~。主人公の女の子も、特に美少女ってわけじゃないところがよい。
私はもともとスペイン映画が大好きなのだけど、これもまた忘れがたい1本。
それにしても、ああ、娘と一緒に見に行かなくてよかった~。娘がこれを見てもいいのは、うーん。何歳だ?
ともあれ、ガキにはわからん深い映画である。
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シネマチックな夜 著者:夏 りょうこ |



