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2008/05/23

マンガ家のおしゃべり

マンガも読むが、マンガ家のインタビューを読むのも好きな私。しかし、以前は雑誌のコーナーでちょっとしかお目にかかれなかったこれらの記事が、最近本になっている。しかも次々と。しかも、インタビューをする人が小説家だったり脚本家だったり同業者だったり。

つまり、インタビューする側が今までとは違う人種なので、話題もマニアックになったり、ミーハーだったり、深~い話になったりする。

とまあ、私が言っているのは、柴崎友香『ワンダーワード』と本谷有希子『イママン』とよしながふみ『あのひととここだけのおしゃべり』のことだけど。

いいですよね。女性のインタビュアーはミーハーで。

この3冊は、三人三様全くカラーが違い、登場するマンガ家にもダブリがないのでそれぞれ読み応えがあるが、本谷有希子のは内容はないけど、読みやすくて単純に面白く(オールナイトニッポンのコーナーの書籍化だから、これでいいのだ)、柴崎友香のは嫌いじゃないけど、彼女がかもしだす空気感にどうもなじめない。

よしながふみのが一番、好きかも。まあ、話題の大半がBLなので、門外漢には実感としての面白さはないけど、ノリはわかるよ。ノリは。

それに、プロのマンガ家がプロのマンガ家にインタビューするとこうなるんだという、一本強い筋の通った対談色の濃い本だから、いろいろなことを考えさせられるし、「いいこと聞いちゃった」というオトク感がある。

今後も出るかな。こういう類の本。夏目房之介も、やるかな。でも「BSマンガ夜話」みたいに、活字になっちゃうとつまらなくなるってこともあるからな。

何にしても、これだけマンガ家が注目される時代って、今までなかったと思う。いやはや、それもちょっと複雑な気持ちではありますが。

ワンダーワード―柴崎友香漫画家対談・エッセイ集 Book ワンダーワード―柴崎友香漫画家対談・エッセイ集

著者:柴崎 友香
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イママン 本谷有希子マンガ家インタビュウ&対談集 Book イママン 本谷有希子マンガ家インタビュウ&対談集

著者:本谷 有希子
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よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり Book よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

著者:よしなが ふみ
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2008/05/17

てって

手手」 沖縄の読谷村で発行されているリトルプレス。

「“手”をめぐる四百字」(季刊「銀花」編集部) 各分野の第一人者50人による手をめぐる400字のエッセー。肉筆で載せてあるところがニクイ。

美しい手とは働く手だ。だから、美しい手にはシワが多く、指も太い。私がそれに気づいたのは40代になってからのことで、それまでは子どもでバカだったので、マニュキアを塗っていない手を醜いと感じ、手がガサガサのおばちゃんを見ると、「あんな女にはなりたくない」と思っていた。

いや、お手入れは大切ですよ。でも、マニュキアでキラキラした手を見ても、べつに美しいとは思わなくなった。

私が好きなピアニストフジ子・ヘミングの手は、ビックリするほど小さくて指も短く、農家のおばあちゃんみたいにシワシワだ。でもその手から生み出される音楽は、「音楽を奏でるとはこのことか」と目からウロコが落ちるほど心を揺さぶられる。

料理人の手もそう。物を創り出す人の手は、みんな労働者の手だ。

だから、今時の過剰にきれいに整えられた長い爪などを見ると、「その手で何をするの?」と思ってしまう。ま、携帯を打つくらいで何にもしてないんだろうけど。

しかしそうはいっても、あまりにほったらかしの手や爪も、やはり女としては考え物。

特に爪。私が美しいと思うのは、ヤスリなんかで手入れをされた清潔な爪だけど、ただ塗ればいいマニュキアと違い、これには日常的な努力と美意識の高さが必要だろうから、やっている人は本当にステキだと思う。化粧が上手な人よりも素肌が美しい人の方が、賞賛に値するのと同じで。

手は、動いている時が一番美しい。無駄なく動いている手を見ていると、気持ちがいい。生きた手。表情のある手。白魚のような手になりたければ動かさないことらしいが、シワ防止のために笑わない人みたいで、哀れよね。

男の手だと、爪の間に土や油が染み込んでしまったような手がいいな。長い間一生懸命に仕事をしてきた手。シャーロック・ホームズは、依頼人の手を見ただけで職業を当てていた。キーボードばかりを打ってきた手は、一体どんな手になるのだろう。

“手”をめぐる四百字―文字は人なり、手は人生なり Book “手”をめぐる四百字―文字は人なり、手は人生なり

著者:白洲 正子
販売元:文化出版局
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2008/05/09

命令と良心

船場吉兆の「使いまわし」騒動で、元料理人が「いい気持ちはしなかったが、社長の命令で逆らえなかったので、仕方がなくやった」というようなコメントをしていた。

いけないことだと知りつつ、また自分自身も不本意でありながら、社長の命令で仕方がなく…。

ミートホープの一連の事件でもそう思ったが、なんだか軍隊みたいだな。

例えば戦時中、罪のない民間人を上司の命令で殺したとか、そういう弁解を聞いているような。

しかしそれが軍隊であっても会社であっても、上の命令に逆らったからといって、命までとられるわけではない。クビや左遷。減給。それが怖くて、己の良心や正義を曲げてしまう。

もちろんその気持ちは私にもわかるが、なんだかなあ。クビになってもいいから、異論を唱える!そんなことをさせられるくらいなら辞める!そういう気骨あふれる正義感というか、ヤンキー精神というか(よくわからんが)、それがないのが淋しいのう。

で、結局こうやってバレてしまうんだったら(内部告発?)、その時たとえ社長の命令でも、現場のスタッフが一丸となって、「こういうことは老舗の名を汚すから、店のためにもやりたくない」と訴えたらよかったんじゃないのか。

つまりは、それができないような雰囲気の職場だったということだから、私はそのような官僚体質の吉兆を料理店として信用しない。いくらサービスが良くて料理がおいしくても、高いんだから当たり前だしね。

また他の事件で、ブランド鶏の名を語ってクズのような鶏肉を売っていた男が逮捕されたが、「豚を鶏と偽ったわけではない。同じ鶏肉なんだから、だましていない」といけしゃあしゃあと言っていたので、驚いた。

百円の価値しかない商品を一万円で売ったら、あんたそれは詐欺でしょ?

こういう経営者たちの顔を見ると、食欲が失せる。食に携わる人は、特に性根の卑しい顔であってほしくない。

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