命令と良心
船場吉兆の「使いまわし」騒動で、元料理人が「いい気持ちはしなかったが、社長の命令で逆らえなかったので、仕方がなくやった」というようなコメントをしていた。
いけないことだと知りつつ、また自分自身も不本意でありながら、社長の命令で仕方がなく…。
ミートホープの一連の事件でもそう思ったが、なんだか軍隊みたいだな。
例えば戦時中、罪のない民間人を上司の命令で殺したとか、そういう弁解を聞いているような。
しかしそれが軍隊であっても会社であっても、上の命令に逆らったからといって、命までとられるわけではない。クビや左遷。減給。それが怖くて、己の良心や正義を曲げてしまう。
もちろんその気持ちは私にもわかるが、なんだかなあ。クビになってもいいから、異論を唱える!そんなことをさせられるくらいなら辞める!そういう気骨あふれる正義感というか、ヤンキー精神というか(よくわからんが)、それがないのが淋しいのう。
で、結局こうやってバレてしまうんだったら(内部告発?)、その時たとえ社長の命令でも、現場のスタッフが一丸となって、「こういうことは老舗の名を汚すから、店のためにもやりたくない」と訴えたらよかったんじゃないのか。
つまりは、それができないような雰囲気の職場だったということだから、私はそのような官僚体質の吉兆を料理店として信用しない。いくらサービスが良くて料理がおいしくても、高いんだから当たり前だしね。
また他の事件で、ブランド鶏の名を語ってクズのような鶏肉を売っていた男が逮捕されたが、「豚を鶏と偽ったわけではない。同じ鶏肉なんだから、だましていない」といけしゃあしゃあと言っていたので、驚いた。
百円の価値しかない商品を一万円で売ったら、あんたそれは詐欺でしょ?
こういう経営者たちの顔を見ると、食欲が失せる。食に携わる人は、特に性根の卑しい顔であってほしくない。


